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海上自衛隊においては、少ないスペースでできる球技としてハンドボールが推奨されています。

候補生学校においても分隊対抗競技の一環としてハンドボール競技が実施されました。

 

水泳や持久走が苦手な私としては、得意な球技で分隊に貢献できるので張り切って試合に臨んでいました。

自分でいうのもなんですが、得点能力もありチーム内でも目立った存在でした。

 

しかし、それが仇になったのか相手チームにマークされ、ファウルを受けて一時退場する羽目になります。

シュート体制でジャンプしているときに相手にタックルを受け、相手の膝を右足太ももに受けて転倒したのです。

 

しばらく休んでいると試合の方は配色が濃くなっており、分隊長から

「松吉、(試合に)行けるか?」

と聞かれ、思わず

「行けます!」

と答えてしまい試合に復帰しました。(基本お調子者なので、その場の雰囲気に流されやすい)

 

当初に比べると痛みは感じなくなっていましたが、やはり十分な運動能力は発揮できず試合終了となりました。

しかし、なんとなく自分の足ではないような違和感を覚えながらも病院に行くことは断固拒否しました。

何故ならば、その日は金曜日で外出許可日だったのです。

ここで下手に病院に行っては

「せっかくの外出が台無しになってしまう」

という邪な考えに支配されていた私は、平静を装って外出に成功したのでした。

 

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なんだか体が熱い

外出後、焼き肉を食べてビールを飲み、1週間ぶりの自由を満喫した後、下宿に戻ってからなんだか様子がおかしくなってきました。

改めて右足を見ると、内出血で真っ黒に変色し、その太さは左足の2倍に腫れ上がっています。

 

更に熱を測ると40度の高熱です。

体温計の40度という数字が、私の平静を粉々に打ち砕きました。

「もうだめだ。分隊長に頼んで江病(江田島病院:校内にある)に連れて行ってもらうしかない」

下宿の同期が分隊長に連絡してくれて、その夜のうちに病院に搬送されました。

レントゲンの結果、【大腿四頭筋断裂】と診断されました。

全治1か月の松葉づえ生活の始まりです。

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 そして思わぬ展開に

鎮痛剤を投与され、落ち着いたのを見計らって分隊長も引き上げることになりました。

しかし、帰り際に

「松吉、あのでっかいチャリンコ処分しとけよ・・・」

との一言を頂きました。

 

・・・そうです。

こっそりと実家から持ってきていたバイクの存在を見つかってしまったのでした。

幹部候補生はバイクや車を持ってきてはいけないことになっているんです。

 

分隊長があえて【でっかいチャリンコ】と言ったのは、公にはしないから早く処分しろということでした。

この時ばかりはさすがに反省し、すぐさま実家に送り返しました。

 

後から考えてみると、この時処分しておいて本当に良かったと思います。

もし、あのまま乗り続けていて事故でも起こしていれば、自分だけでなく周りの人にも大迷惑をかけるところでした。

幹部候補生としだけでなく、社会人としての自覚に欠けていたと今でも思い出す度に反省しています。

それと同時に、分隊長の寛大な処置に深く感謝するものでありました。

 

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