animals-755720_640

 

着校から数週間の校内監禁生活の後、ついに外出が許可される日がやってきました。

校内への私物の持ち込みは制限されているため、ほとんどの候補生は校外に【下宿】と呼ばれるアパートや一軒家を何人かの同期でシェアしています。

私の場合、同期5人と一軒家をシェアしており、家賃は一人当たり月額1万円でした。

 

キッチンが土間になっているなど、築年数は明らかに50年は超えているであろうと思われる物件でしたが、それもなかなか趣があって良いものです。

当時の江田島はまだまだ古い建築物が多く残っており、昭和40年年代くらいの風情が漂っていました。

そんな下宿に戻って私服に着替えてのんびりしたり、溜まった洗濯物を片付けたり、フェリーで呉の町に遊びに行ったりするのが休日の過ごし方でした。

 

しかし、その下宿にたどり着くまでに越えなければならない関門があります。

それが・・・外出員整列です。

 

Sponsored Link

 

外出するためには制服着用で校外に出るのですが、その服装容儀については整列し点検を受けなければなりません。

  • 制服にはしわのない状態でビシッとアイロンがかけてあること
  • 靴は極限まで磨かれていること
  • 爪はきれいに切られていること
  • アイロンのかかった白いハンカチを用意していること
  • ひげがきれいに剃られていること
  • 頭髪が規定通り整えられていること

大体このようなチェック項目を分隊員全員でクリアーしなければなりません。

そう、一人でもチェックに引っかかったならば、連帯責任としてその者が合格するまで外出は認められないのです。

こういうことは得手不得手がはっきりと出る項目ですから、段々とチェックに引っかかる者は固定化されてきます。

 

しかし、そういう者をほっといてはいつまでたっても外出が許可されないので、余裕のある者が積極的に世話をやきます。

私はちゃっかり外出員整列用の制服と靴を別途用意しておいたので、いつも余裕を持って整列に臨んでいました。

 

また、せっかくアイロンをかけても整列場所まで普通に歩いては、ズボンに折じわがついてしまうので、膝を曲げずにペンギン歩きを行う技術も身につけました。

土の上を歩くと短靴にほこりがついてしまうので、極力舗装された場所を通ることも忘れてはいけません。

整列位置について立ち位置を決めたら、最後にポケットに忍ばせたガムテープやエチケットブラシで埃を徹底的に除去します。

 

改めて振り返ると非常に滑稽ですが、当時は大まじめにそしてちょっぴり自虐的に楽しんでいました。

ここで学んだことは、連帯責任の重要性と最後の一瞬まで最善を尽くすということです。

どちらも艦艇勤務には欠かせないことだと思います。

 

Sponsored Link