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護衛艦の食事事情についてお話しします。

1994年以前は朝食、昼食、夕食、夜食と4回の食事を取っていました。

 

自衛隊の食事カロリーは、部隊や職種によって異なります。

護衛艦や潜水艦は学校機関などの陸上部隊に比べて、高カロリーに設定されていました。(現状を確認していないので、あくまでも過去形で表記)

そもそも自衛隊の設定しているカロリーは、一般男性に必要とされる標準カロリーよりも高めに設定されているので、二重に上乗せされているといえます。

 

幹部の食事はあらかじめ一定に盛りつけられたものが提供されるので、摂取カロリーは大体標準値に近いと思います。

しかし、乗員の食事は科員食堂でビュッフェスタイルになるので、極論すれば好きなおかずを好きなだけ(個数制限のあるものは除く)食べることができます。

これは偏食(野菜は食べないなど)が可能であるという事実をも含んでいます。

 

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その最たるものがカレーライスであります。

自他ともに認める大食漢の乗員が盛りつけるカレーの量は、ご飯3~4合に相当(目測)すると思われ、盛りつけられたご飯の山から流れ落ちるカレーは、さながら噴火する火山のような様相を呈しています。

「いつもそれぐらい食ってるの?」

と聞くと

「鉄板が小さ過ぎて、これ以上は盛れないっすよ!」

と満面の笑み。

・・・いや、鉄板小さくないからね(汗)

 

狭い艦内で運動不足になりがちな勤務形態であるのに、1日4回の高カロリーな食事を摂取すれば、結果はお分かりですよね。

成人病予備軍の大規模生産工場となるわけです。

 

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定期健康診断で検査項目が基準値を超えてしまうと、『艦艇不適』となり艦を降りなければならないので、あくまでも予備軍と表現しています。

血圧値、尿酸値、コレステロール値など項目は様々ですが、事態はかなり深刻でした。

 

私が初任幹部として着任した護衛艦「せんだい」の時代までは、この4食目にあたる『夜食』が供されていたことを記憶しています。

航海中の巡検終了後に艦内マイクにて

「巡検終わり、明日の日課、定時起床、以後予定表通り。夜食受け取れ

と令されていたのを覚えています。

個人的にはテンションの上がる艦内号令の一つでしたが。

 

夜食のメニューは麺類(ラーメン、うどん、そば、パスタ)やチャーハン、サンドイッチなどの軽食でした。

長期出港から帰港する最後の晩には、『入港ぜんざい』が出ることもあり、甘党の私にとっては楽しみのひとつでした。

『入港ぜんざい』は海軍時代からの伝統なので、今でも出している艦はあるのではないかと思います。

 

こんな護衛艦乗員の健康状態に危機感を抱いた当時の上層部指導により、夕食の時間を遅らせて艦上体育の時間を設定し、同時に夜食を撤廃するという一連の施策が実施されました。

しかし、護衛艦は24時間を人員交代しながら運航するものですから、夜間も起きて当直(WATCH)に従事しなくてはなりません。

夕食から朝食まで12時間近くも何も食べないと空腹感に耐えられず、個人レベルでのカップラーメンやお菓子の持ち込み現象が増加しました。

 

これでは本末転倒なので、深夜立直する人間に限って『深夜食』として菓子パンなどを供することになりました。(私が現職時代は、ほぼこの方式で一定)

まあでもカップラーメンなどを食べることが禁止になっているわけではないので、食べたい人は『深夜食』を食べた上で、更に個人の夜食ストックを消費するわけですが。

かくいう私も深夜直が終わった後に、誰もいない士官室でチキンラーメンなど食べてました。

これが妙に美味しく感じるので、困ったものなのです。

 

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