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航海訓練や停泊当直によって休日(土日祝日)に勤務すると、代休が付与されます。

この代休を海曹士は停泊中(自分の当直日を除き)に消化することができます。

そもそも代休は休日出勤の代償として付与されるものなので、必ず消化させる必要があります。

自衛隊は休日出勤を金銭で解決しないからです。

このため、長期出港の多い艦ほど代休は蓄積し、停泊中はこれを消化するために開店休業の感があります。

 

しかしながら、艦艇幹部はこの代休を消化することはほどんどありません。

航海訓練から戻ってくると同時に大量の文書が届けられるからです。

しかも、期限が差し迫った状態で(笑)

そういった停泊時の通常業務をこなすためには、実質的に代休を消化することは不可能なのです。

それどころか、自主的に休日出勤することさえ多かったと思います。

また、士官室では上司が休まない限り、部下は休めないというのが常識です。

平日でさえ、上司が帰らない限り部下は帰れないのですから。

 

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ただ、実質的に代休消化が不可能であるとはいえ、

『幹部が代休を取るなどとんでもない』

という雰囲気があったことは否定できませんし、そこに根の深い問題が潜んでいると考えていました。

 

海上自衛隊(艦艇部隊)は陸空自衛隊に比べて、部内から幹部への昇任意欲が突出して低い理由はおそらくここにあるだろうと考えています。

海曹士である限り、長期航海から戻れば代休を取って休めるのに対し、幹部になれば代休どころか平日も定時に帰ることができなくなるのです。

それでいて、給料は同年齢であれば幹部も海曹もたいした違いはありません。(海士はさすがに除外しています)

少なくとも、時給換算すれば海曹の方がはるかに高給取だといえます。

この昇任意欲については、とてもここでは書ききれませんので後日別途記事にしたいと思います。

 

話を再び代休に戻します。

代休には消費期限がついています。

ちょっと記憶が定かではないのですが、権利発生日から1年以内だった気がします。

更に問題なのが、転勤による代休の持越しはできないということです。(代休事由発生部隊限り)

当然と言えば当然なのですが、ほぼ1年毎に転勤する艦艇幹部は消化できない相当数の代休を捨てていくことになるのです。

これを日当換算すると、軽く1か月分の給与に相当していました。(一つの配置あたりですから、生涯換算すれば恐ろしい金額です)

『自分は幹部なのだから』

と納得するには大きすぎる金額だと思います。

自衛隊の悪い点は労働力を金銭に換算することができない部分です。

平たく言えば人は無料で使える(支払い済み)と思っているところです。

そこを個人の矜持に頼っているところが、組織としてねじれを生み出している要因ではないでしょうか。

現役幹部自衛官では口が裂けても言えない問題なので、敢えて声を大にして訴えたいと思い記事を書きました。

 

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