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軽い気持ちで書き始めた官舎物語であるが、意外に長文記事となってしまったので記事を分けることとした。

官舎は基本的に妻帯者でなければ入居することはできない。(指揮官の単身赴任はこの限りではない)

まれに、独身者でも入居できるところもあるようだが、私自身利用したことはない。(ものすごく老朽化しているとか)

ともかく官舎の家賃は安く(給与の一部でもあるので)、いつまでも独身者として民間アパートに住んで高い家賃を払うよりも、結婚して官舎に住んだ方が金銭的にメリットが大きいことは言うまでもない。

 

また、官舎への入居は階級、勤務年数、家族構成、配置なども選考基準とされているようで、特に初級幹部時代にはなかなか引っ越し先の官舎が決まらずに困ることが多かった。

そもそも、転勤の内示だけでは官舎の申請はできない。

土壇場で配属先が変更になることもままあることだからだ。

電報にて発令後(もしくはその直前)にようやく申請が許可されるため、引っ越しの手配は常に厳しい状況となる。

そこで行先不明のまま、引っ越し業者を選定し荷物をまとめておいて、直前になって行先を連絡するのである。

引っ越し業者からは、毎回「まだ決まりませんか?」と繰り返し催促を受けることになる。(まあ、当然だが)

中級に入るころから、そういう状況も改善されたように思う。(勤務年数と階級の要件を満たしたということだろう)

 

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重大な事項を見落としていた。

旦那が常に引っ越しに協力できるとは限らない。

発令後、本人は鞄一つで任地に赴任してしまうことも少なくない。

その場合、配偶者は引っ越しの手配から全て一人で行うこととなる。

幹部自衛官(艦艇幹部)の配偶者には、副官並みの事務処理能力が要求される。

我が家においても、佐世保から大湊まで(自家用車の回航を含む)任せきりにした際は、さすがに家庭内に不穏な空気が流れた。

 

入退去時には、同じ階段の住居者に粗品を持参して挨拶を行うことが慣例である。(例:4階建てであれば自分以外の7世帯に)

そういった目に見えない出費も以外と多いので、引っ越しの度に赤字となる。(引っ越し手当はかなり渋い金額である)

 

官舎には、最低限の備品しか備わっていない。

まず、網戸がない。

官舎は立地的にネイチャーな場所(辺鄙な)にあることが多いため、各種昆虫と仲良くなることができる。

そんな場所で網戸がないというのは死活問題であるので、購入あるいは作成することになる。

しかも、それを引っ越しの度に取り外して、持ち歩くことになるのである。

 

また、台所の換気扇もついていない。(一部最新官舎では備わっていた)

入居すると、換気扇のあるべき場所にダンポール等でフタがしてある。

なかなかに寂しく趣のある風情である。

 

もちろん、給湯器、ガスレンジもない。

ガスに関しては、官舎によって都市ガス、プロパンガス、舞鶴ガス(ここだけ特殊)など異なった器具が必要となる。

私もこの3種類(給湯器とレンジのセット)を持ち歩いていた。

使わない給湯器とガスレンジが部屋に転がっているので、邪魔であることこの上ない。

そのため、常時一部屋は倉庫状態となっていた。

 

1年か、長くて2年という周期で引っ越しを繰り返すことになるので、家具は最小限にしていた。

タンスはプラスチックケース、ベッドは使用せず布団を使用するなど。

いつでも転勤可能なように臨戦状態に保っていた。

引っ越し用段ボールLサイズMサイズそれぞれ5枚位はキープしておいた方が良いだろう。

そうすることにより、1週間もあれば余裕で引っ越し準備完了できるだろう。

 

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