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護衛艦における喫煙事情についてお話しします。

まず、話の前提として私自身が在職中は喫煙者であったこと、そして、現在は非喫煙者であることを明記しておきます。

当時私の喫煙量は、だいたい1日に1箱(20本)でした。

護衛艦内では士官室、士官私室、艦内のタバコ盆(煙缶)設置個所など、いたるところに喫煙可能な場所が存在していました。

現在は、オープンエアーにしかタバコ盆(煙缶)が設置されていないと聞き及びます。

時代の流れを感じますね。

冒頭にお伝えしたように現在は非喫煙者となって久しいのですが、その立場から当時を振り返ると

「非喫煙者の皆様に申し訳なかった」

という慙愧の念に堪えません。

この場を借りて、深くお詫び申し上げます。

 

士官室内での喫煙に関していえば、艦長が喫煙者か否かという要素が非常に重要でした。

艦長が喫煙者の場合、喫煙者勢力が増大し

「我が意を得たり」

とばかりに吸いまくります。(室内は煙が充満し、霧中航行状態に)

逆に艦長が非喫煙者であれば、なんとなく士官室での喫煙は憚られるので、士官私室や別の場所に移動して喫煙していた気がします。

 

士官私室に関しては、艦長副長を除く幹部の大多数が相部屋であるため、その部屋の序列(階級)こそが絶対の法律となります。

一応下級者に対しては

「タバコ吸ってもいい?」

と断りを入れますが、下級者が断れる訳ないですからね。(断られることを前提にもしていないですし)

士官私室は狭いだけに、寝具や衣服にも結構臭いが付着することになります。

歴代の同部屋だった士(サムライ)の皆様、本当にゴメンナサイ。

 

当時主張していた喫煙によるメリットは、乗員との自然なコミュニケーションというものがありました。

確かに喫煙という同じ目的をもって同じ場所に集まっているので、他分隊の乗員とも自然に会話する機会が多かったのも事実です。

同じ空間でタバコ盆(煙缶)を囲んでいるのに、何も会話しないというのも妙なプレッシャーがあるものなので、どちらからともなくたわいのない会話を楽しんでいました。

そして、そういう何気ない会話の中から意図せず艦内の雰囲気を感じることも多かったと思います。(不平不満の類)

士官室に閉じこもって仕事をしていたのでは、決して分からないことです。

もちろん自分の分隊員とも、ちょっとした休憩時間に一緒に一服すると一体感や連帯感が高まる気がします。

タバコはそういう自然なコミュニケーションのきっかけを作る便利なツールだといえます。

 

デメリットに関していえば、いくらでも挙げることができそうですが、あえて一つだけ。

現在の分煙化促進の風潮に伴い、喫煙可能な場所が限定される事例が増えています。

そうなると、その場所への往復時間は単なるロスタイムとなります。(喫煙所は隔離されているので)

この積み重ねによる損失は計り知れないものがあります。

気分転換と仕事効率、どちらが最終的な生産性に寄与するのかという問題なのでしょう。

自分自身は現在非喫煙者になって久しいので、仕事効率を優先しますが、のんびり一服することさえできなくなった喫煙者の皆さんへの同情もあります。

なんとも、世知辛いご時世になったものです。