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転勤生活について世間一般的にはあまり歓迎されていないようですが、個人的には大変気に入っていました。

というよりも、全国レベル(海外を含む)での転勤生活というのは職業選択の上でむしろ絶対条件でした。

これは一つの場所に根付いて堅実に生きていくことよりも、常に何か新しいものを探して放浪していたいという自分自身の嗜好に適合していたからでしょう。

だからこそ海上自衛隊という仕事を選択したとも考えられます。

今回はそんな転勤生活の利点や欠点そして退職後も残る後遺症についてお話しします。

 

利 点

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未知の土地で生活

自分の知らない土地で生活を始めると、実に様々な違いに気が付くことになります。

その第一は人々の話す言葉の違い(方言)でしょう。

私は九州出身ということもあり、方言そのものに対して非常にポジティブな考え方を持っていて、自分の方言だけでなく色んな地域の方言に興味を感じます。

自分の生活圏内であった九州をはじめとする西日本では、方言に対しポジティブな感情を持っているので気が付きませんでしたが、東北地方などでは学校教育で標準語の使用を強制しているところもあり、方言に対してややネガティブな感情を持っているようです。

方言ってその土地の文化を代表するものですから、これを否定するのは残念なことだと思いますけどね。

ましてやそれを学校教育で行うことの妥当性については大いに疑問を感じます。

私自身は恐らく地元の人が聞けば違和感があるのを承知の上で、その土地の言葉をどんどん吸収しては積極的に活用するようにしていました。

片言でもその土地の言葉が話せるようになれば、何となく打ち解けられる気がするのは国内も国外も同じだといういささか強引な理屈に基づくものです。

他にも生活習慣や食習慣、物事に対する考え方の違いなど興味深いことばかりで、限られた期間の中でできるだけ多くのことを貪欲に吸収したいと思っていました。

また、自分の出身地からは地理的に遠くて断念していた名所旧跡にも気軽に行けることは大きな利点ではないでしょうか。

私は城跡や神社仏閣を訪れることを趣味としているので、その意味においても転勤生活を謳歌していたと思います。

おかげで日本全国全ての都道府県を制覇することができました。

 

人間関係

艦艇部隊では、ほとんどの幹部は1~2年で転勤します。

ぶっちゃけ苦手な上司や同僚との関係も最長1年我慢すれば、自分か相手のどちらかが転勤していなくなるわけです。

また、最初は苦手だった相手とも改めて違う部隊で再会した時などには、時間の経過や互いの立場の変化によって印象が変わることもあります。

ずっと同じ環境でいれば、何も変わらなかったかもしれない彼我の関係がこのように変化する可能性も含め、転勤は良い効果をもたらすものだといえます。

逆に自分が入社した会社や部署で数十年も同じ顔ぶれで仕事をすることを想像しただけで、なんだかうんざりしてしまいます。

 

欠 点

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人間関係

利点でも取り上げた人間関係ですが、逆に親しくなった人達と分かれるのは名残惜しいものです。

仕事に関しても『あうんの呼吸』というか全てを説明しなくても問題なく処理されていく事例が増えてくるのでなおさらそういう思いがあります。

また、階級に関係なく 士官室の中で勤務歴が長くなると(古株になると)、いろいろと自分に都合のよいことが多くなるのも事実です。

 

金銭問題

転勤に伴って赴任旅費が支給されますが、必要最低水準で計算されているのでしっかり管理しないと赤字になってしまいます。

いわゆる引っ越し貧乏ってやつですね。

一番困るのは全国的に引っ越しシーズンとなる3月移動の場合で、引っ越し業者の料金も高く、なにより業者を確保することが困難となります。

転勤の辞令が出てから実際に移動するまでの時間的余裕が少ないこと、行先の官舎がなかなか確保できないなどの理由により苦労することになります。

この場合、一旦本人だけ先に赴任して1か月ほど艦内居住(護衛艦であればそれも可能)したのち、改めて戻ってきて引っ越しということにもなりますが、この往復分の旅費は自腹ということになるのです。

ですから極力一度の移動で済ませたいというのが毎回転勤時の切実な思いでした。

 

後遺症

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生活環境

海上自衛隊に在職中は同じ場所にいた期間が最長でも2年だったため、それ以上の期間になると引っ越したいという強い衝動にかられます。

現在の居住地にはもう5年以上住んでいるのでもはや限界です(笑)

 

仕事

海上自衛隊の仕事(艦艇幹部の場合)は転勤して配置が変わると全く別の職業に転職したくらい職務内容が変わります。

それを1~2年という限られた期間で何とか形にして、また次の配置に異動する繰り返しだといっても過言ではありません。

この影響を受けているのか、それとも自分の本性がそうなのか分かりませんが、1年を過ぎると同じ仕事に飽きてきます。

せめて内容に僅かでも変化があればなんとかなるのですが、ほぼ同一の仕事内容であった場合は確実に飽きてしまうのが悩みの種です。

もっともそれは『生きていくために最低限必要な金銭を稼ぐためだけにやっている仕事』だからかもしれませんが。

 

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