練習艦隊帰国

 

平成27年10月27日(火)に日本国練習艦隊は日本の表玄関である晴海港に入港し、平成27年度の遠洋練習航海が終了となりました。

実習幹部諸官におかれましても、祖国日本へ無事に帰国されましたことを心からお祝い申し上げます。

各人は一人の例外もなく、5月に出国する前と比べて確実に何かが変わっているハズです。

 

時間とは全ての人に平等に与えられているものですが、その同じ時間の枠内で何を経験したかによって価値は数倍にもなります。

そういう意味において『遠洋練習航海』によって得られた経験は想像以上に大きなものだといえるでしょう。

どこに行っても日本という大きな看板を背負っている感覚は普通の旅行とは全く異なる経験となったはずです。

日本という国のこと、日本人として自分が今後どのように生きてゆけば良いのかなど従来とは異なる思考を経験されたことでしょう。

そして遠洋練習航海の終了はすなわち、新たな部隊勤務の始まりでもあります。

 

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部下の存在こそが部隊勤務の醍醐味

幹部候補生学校に入校して以来、約1年半に渡る長い教育期間もひとまずはこれにて終了となりました。

現在はすでに部隊に着任、あるいはそれぞれの配置に応じた任務課程等に入校する頃でしょう。

いうまでもなく、今までの教育期間とこれからの部隊勤務の最も大きな違いは『部下の存在』にあります。

頭の中では理解しているつもりでも、こればかりは実際に部隊勤務を経験してみなければ分からないものだと思います。

教育期間中にも

「あの時は大変だったなぁ」

と感じたことも多かったとは思いますが、そのどれもが自分自身の範疇にとどまる問題に過ぎなかったのです。

 

しかし、これからは自分を律しているだけでは済まされない問題が次から次へと起こることでしょう。

そのほとんどは未経験かつ正解のない性質の問題です。

そこが今まで経験してきた教育期間との決定的な違いだといえます。

だって学校の試験には必ず正解があったはずですからね。

 

時には部下の起こした不祥事の後始末に膨大な時間を要することもあるでしょう。

そんな時は

「なんで、私がこんな後始末をしなければならないのだろう」

とため息をつきたくなることもあります。

 

しかし、彼ら部下の存在こそが貴官の寄って立つべき処なのです。

貴官が一人では決して達成できない業務であっても、彼らが自分の持ち場を守って仕事をしてくれるからこそ貴官の立ち位置に意義が生まれるということを決して忘れてはなりません。

また、教育期間中に経験済みの『自分だけで到達できた目標』と今後の部隊勤務を通じて経験していく『多くの部下と一緒に到達できた目標』とでは喜びの濃度が違うことに気付くでしょう。

これこそが部隊勤務の醍醐味というべきものなのです。

 

退職を検討中の方へ

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遠洋練習航海中に色んな悩みを抱えて、現在退職を検討中の方もいるだろうと思います。

また、自分の希望していなかった職種に配属され同様に退職を検討中の方もいるでしょう。

しかし、経験者としてアドバイスできることは、同じ退職するにしても是非ともあと3年は部隊勤務してから結論を出してみても決して遅くはないということです。

苦しいことも当然ありますが、それに倍する喜びを体験できるであろうことは保障致します。

 

また、当時苦しいと感じていたことにこそ多くの教訓が含まれていて、その後の人生に大きな利益をもたらしてくれることも事実です。

そういう経験を踏まえて自分自身が納得できてから退職しても遅くはないと断言できます。

私自身も結果として途中退職したものの、自分自身が納得できるところまで頑張った結果なので、現在でもスッキリとした感謝の気持ちを持って海上自衛隊と向き合えています。

人はどんなタイミングからでも正しい努力と意思によって『なりたい自分』になれるものです。

人生はまだ始まったばかり、焦ることなんて全然ありませんよ。

 

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