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『Port is Red Starboard is Green』

 

これだけ聞いてピンとくる人は『船乗り』か『パイロット(航空機)』もしくは『マニア(乗り物あるいは軍事)』のいずれかに属している人でしょう(笑)

 

ではこれは何のことかといえば船体(機体)の左右とその灯火色を覚えるための標語のようなものなのです。

 

今回はそんな舷灯に関連したお話です。

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そもそも舷とは何ぞや

船の進行方向に向かって前方部分を船首、後方部分を船尾をいいます。

 

これが護衛艦の場合は『艦首』『艦尾』と言い換えることになります。

(このブログでは以後の文章を海上自衛隊で標準使用している『艦首』『艦尾』で統一します)

 

これに対し『舷』は船体の左右を表す言葉なのです。

 

ここは素直にwikipediaさんを引用すると

舷(げん)とは、船の側面のことである。船縁(ふなべり)、船端(ふなばた)とも言う。

船首に向かって右側の舷を右舷(うげん、みぎげん)と言い、左側の舷を左舷(さげん、ひだりげん)と言う。「みぎげん」「ひだりげん」という読み方は、日本海軍・海上自衛隊において聞き間違いを防ぐために使われているものである[1]。英語では右舷をスターボード(英: starboard)、左舷をポート(英: port)と言う。

船は、進行方向が他の船にわかるようにするために、左舷に赤色、右舷に緑色の航行灯(英語版)を点灯する。

引用:wikipedia

ってことになります。

 

さらに『Port』と『Starboard 』の由来についても

ポート(port)という言葉は、接岸時に舵櫂の邪魔にならないように左舷に桟橋や岸壁を着けたことに由来する。

イギリスでは元々左舷をラーボード(英: larboard)と言った。中英語のladebordが、16世紀にstarboardに引きずられる形でlarboardに転訛した。特に風の中で叫ぶときなど、larboardstarboardと聞き間違えやすいため[2] 、他国と同じportに置き換えられた。

スターボード(starboard)という言葉は、古ノルド語のstýri(操作する)とborð(舷)に基づく古英語のsteorbordから来ている。これは、初期の船の操舵方法に由来する。現在のような船の中心線上に舵が取り付けられるより以前、船の操舵は舵櫂(英語版)(舵取り用の櫂)によって行われていた。舵櫂は船尾にいる漕ぎ手によって操作されるが、左利きよりも右利きの人の方が多いため、右利きの漕ぎ手が操作しやすいように舵櫂は右舷に設置された。

引用:wikipedia

ってことが書かれています。

(ナルホドね)

 

実はこの『Port』と『Starboard 』の由来については、今回の記事を書くにあたって検索し初めて事実を知ったというのが真相です。

(退職後10年にしてようやくスッキリできました)

 

『舷灯』というのはこのように船の左右を判別できるようにするための灯火なのです。

舷灯によって分かること

それは夜間航海における相手船舶の動静です。

 

船舶が自動車のように決められた通行帯を航行するのは法律で定められた航路に関してのみとなります。

 

広い海域ではいわゆる『道路』のようなものは存在しません。

 

しかし、そんな海域で各船舶が無秩序に航行していては衝突の危険が増加するばかりですから、『海上衝突予防法』という法律が定められているのです。

 

船舶の灯火と海上交通ルールに関しては国土交通省海難審判所のサイトが分かり易いのでリンクを張っておきます。

参考:海の交通法規入門

 

要するに灯火を見れば相手がどういう種類の船舶で現在どのような状態にあるのかが容易に判断できるというワケですね。

 

私はむしろ昼間よりも夜間の方が相手船舶の動静を把握するのは簡単だと思っていました。

翻って歩行者事情

実はこの記事を書こうと思ったキッカケは、日々の生活の中で比較的広いスペースにおける無秩序な歩行者の行動に苛立ちと戸惑いを感じるからです(笑)

 

大きな駅の構内など(具体的にはJR横浜駅での経験に基づく)では、多くの歩行者がそれぞれの目的地に向かって無秩序に歩いています。

 

歩く速さも方向もてんでバラバラな歩行者を避けつつ自分の行きたい方向へ歩くことはなかなか骨が折れるモノです。

 

特に困るのは

  • 歩きスマホで周囲の人間が避けてくれることを期待している歩行者(操縦性能制限船)
  • なぜか横一列になって歩きたがるサラリーマン(二艘曳き漁船)
  • 目の前を歩いていていきなり方向転換する歩行者(遊漁船)

といった歩行者でしょうか。

 

カッコの中は洋上で厄介だと感じていた船舶ですが、厄介な歩行者と全く同じですね(笑)

 

そんな時ふと

 

『海上交通のように見合い関係になった時の衝突回避ルールがあったらなぁ』

 

と強く思います(笑)

 

そうすれば右に避けてはおっとっと、左に避けてはおっとっとみたいな無様なことにはならないハズですから。

両舷灯の意味(スラングとしての)

話はガラッと変わりまして、ここまでお話ししてきた『舷灯』にまつわるこぼれ話を少し。

 

『左舷灯』は赤、『右舷灯』は緑で二つ合わせて『両舷灯』でしたね。

 

海上自衛隊にはこの『両舷灯』という言葉が持つもう一つ別のイメージがあります。

 

それは『両舷灯=オッサン=定年5分前』ということ。

 

これは海上自衛隊だけでなく各幕共通事項なのですが、自衛官としての勤務年数に応じて防衛記念賞が付与されます。

(制服の胸についているあのカラフルな飾りのことです)

 

この内10年勤続でもらえるのが通称『赤いきつね』

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もう一つ25年勤続でもらえるのが通称『緑のたぬき』

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と言われるもので、この両方が揃うと『両舷灯』が完成するわけです。

 

なお、防大出身者は在学期間を加味されるので一般大出身者よりも早く付与されることになります。

(ただし、まるまる4年分ではなく2年分を換算される)

 

一般大出身の私の場合ですと平成4年の入隊から10年後の平成14年11月1日(自衛隊記念日)に『赤いきつね』を付与されています。

 

当時の年齢は33歳でした。

 

『緑のたぬき』が付与されるのは更に15年後の平成29年の11月1日ですから年齢は48歳ということになります。

(もちろん、退職しているのでもらえませんが)

 

2等海佐で定年退職を迎えると仮定すれば退職時の年齢は55歳ですから、制服の胸に『両舷灯』が灯されるとなんとなく目の前に『定年退職』という文字がちらついたでしょうね。

記事のまとめ

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いかがだったでしょうか?

 

私は海上自衛隊で主として護衛艦勤務に従事してきましたが、実は自分のことを『船乗り』だとは認識していません。

 

どちらかというと『用兵者』や『オペレーター』であり、あるいは『教育者』だという認識を持っていたからです。

 

ですからあまり『船乗りらしさ』を感じさせる知識は持ち合わせていないし、苦手意識すら感じておりブログの記事にもそれは色濃く反映されていると思います。

 

今回はそんな苦手意識を克服するべくイッパシの『船乗りらしさ』を気取ってみましたが、やはり底が浅いので『引用』を多用するハメに(汗)

 

そんな私でも全くの素人から見れば『船乗りらしく』見えるはずですし、それなりの知識や経験もあることはありますので、また機会があれば(気が向けば)こういった記事を書いてみようかと思っています。

 

それでは、本日もここまで記事をお読みいただきましてありがとうございました。

 

また次回の記事でお会いしましょう。

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