平成27年度自衛隊観艦式

 

天気晴朗かつ波穏やか。

秋晴れの中『平成27年度自衛隊観艦式』の予行訓練に参加させて頂きました。

乗艦したのは「護衛艦きりさめ」で佐世保を母港とする護衛艦です。

航海中の護衛艦に乗艦するのは2004年8月以来となりましたが、色々と感じるところがありましたので記事にまとめました。

 

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護衛艦きりさめ

護衛艦きりさめ

 

不思議なことですが、護衛艦に一歩足を踏み入れただけでその艦の雰囲気というものが伝わってくるものです。

まず第一に艦の玄関である『舷門』ですが、当直員の端正な敬礼や表情によって

「あぁ、いい艦だなぁ」

と感じました。

 

艦橋に行くためには狭くて傾斜が急なラッタル(階段)を登る必要がありますが、そこには必ず警戒員が配置されて乗客の安全を確保しています。

とここまでは普通のことですが、この警戒に当たっている乗員が実にいい笑顔で一人一人の乗客に声をかけていたのです。

「こんにちは」

「階段が急ですので、気をつけてお進みください」

と一人の例外もなく本当に良い笑顔で案内していたのです。

 

しかもそれは朝の乗艦時から夕方の退艦時まで欠かすことなく実施され続けました。

朝だけというのであれば特に驚かないのですが、本当に最後の瞬間まで一人も欠かすことなく挨拶と声掛けを続けてくれたのです。

もし、彼らの深層心理に『やらされている』とか『だるいなあ』という気持ちがあればたちどころに伝わってくるのですが、全く感じられなかったところがスゴイことなのです。

これは先任海曹室をはじめとする上級海曹はもとより中初級海曹に至るまで、よく後輩海士の面倒を見て指導しているという証拠に他なりません。

過去の勤務経験から言えることは、その場だけとってつけたような対応は絶対に不可能であるということです。

実際に乗艦中は至る所で丁寧に後輩を指導する先輩海曹の姿を見る機会がありました。

 

また、警戒員として任務についている時だけでなく、休憩中であっても仲間同士話をするその表情は非常に明るく、幹部と乗員の関係も良好だと感じました。

こういった雰囲気の根源は艦長の持つ雰囲気が反映されることが多いのです。

艦長一個人の影響が艦全体に及ぶなど信じられないかもしれませんが、これは大袈裟ではなく紛れもない事実です。

艦長次第で士官室の雰囲気は変わりますし、士官室の雰囲気が変われば先任海曹室が変わり、ひいては艦全体の雰囲気が変わるという相乗効果が起きます。

そういう意味において「きりさめ」艦長は艦の運営に成功しているといっても過言ではないのです。

 

旧知の人たちとの再会

ご紹介したとおり「護衛艦きりさめ」は佐世保の艦ですので、旧知の人との再会もありました。

その一人が「きりさめ」艦長で、私が「さわぎり」砲雷長として乗艦していた時の航海長でした。

当時から抜群の知性と乗員からの人気を併せ持つスーパー航海長でしたが、そのままスーパー艦長になっていました(笑)

 

今回の乗艦中に艦内をブラブラ徘徊しながら

「今の艦長はどうですか?」

と乗員に質問すると、異語同音に

「最高です。ずっと交代しないで欲しいです」

という答えが返ってきました。

その乗員が本心からそう思って発言していることは、表情や話し方をみれば分かります。

『乗員の隅々にまで影響力を浸透させる人間としての魅力』

私がこのブログで提唱している尊敬すべき指揮官が共通して持っている特質を目の当たりにすることができました。

 

また、かつて「さわぎり」砲雷科員だった海曹にも再会することができ、当時一緒に勤務していた人たちの近況を聞くことができました。

幹部になった者、飛び抜けて出世した者、定年を迎えた者と様々ですが、一人一人の顔が浮かんできてとても懐かしく思いました。

自分が過去に関わった人たちの幸せそうな人生を耳にすることは元分隊長として至上の喜びです。

 

乗艦中に再発見したもの

最初に申しあげたとおり、航海中の護衛艦に乗艦するのは十数年ぶりでした。

しかし、乗艦してから出港して浦賀水道を抜けるまでずっと艦橋にいて、各部から上がってくる報告などを聞いていると

「あっ、次はこうしないと・・・」

「これは艦長に報告するべき事項だな」

「港内の風や波うねりはどうか」

「使用曳船は準備できているか」

などなど完全に砲雷長目線で時間を過ごすことができました。

緊張感に満ちた雰囲気って本当にいいのもですね。

 

これは観艦式の予行訓練が始まってからも変わることなく続き、航過してゆく艦艇や航空機のアクションには目もくれず、ひたすら艦内(特に艦橋)の様子を観察することに終始しました。

辛うじて尊敬する先輩の乗艦している「しらゆき」は写真撮影できたものの、同期が乗艦する「きりしま」は見逃してしまいました(ゴメンネ)

それでは乗艦中に撮影した数少ないコレクションの一部を公開します。

 

参加艦艇の写真はこのショットくらいです。(小さい)

海上自衛隊観閲式

 

中部甲板に格納中の溺者クン

溺者人形

 

後甲板の自衛官旗(向こうに見えているのは「さみだれ」と「いづも」)

自衛艦旗

 

艦橋後部の旗甲板から見上げるマスト

きりさめマスト

 

そもそも他の乗艦者さんたちはでっかい望遠レンズ付きの高級カメラを持参しており、スマホしか持っていない私とは気合が違います。

行き交う護衛艦や航空機を撮影しようとしてもゴマ粒にしか映りません。

もっともそれは私の興味の対象が艦艇航空機などハード面ではなく、乗員の士気などソフト面だからというのが一番の原因なのですが(笑)

 

記事のまとめ

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いかがだったでしょうか。

午前中は天気も良く日焼けが気になるくらいでしたが、途中から曇ってきて風も強くなってかなり寒い思いをしました。

10月18日(日)の観艦式本番に乗艦予定の方は、しっかりとした上着を準備された方が良いでしょう。

他にも私は元海上自衛官という意識が災いとなってどうしても甲板上に座ることができず、ずっと立ちっぱなしだったので非常に足腰が疲れました。

底がフラットで柔らかい靴を着用されることを強くお勧めします。

 

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