九州から青森への大移動

九州から青森へ移動

 

『大湊地方総監部 防衛部 第3幕僚室 業務主任』(陸上配置は肩書が長いので困る)

として勤務するべく、九州の佐世保から青森の大湊へ向かいます。

インド洋への海外赴任を除いて、国内における最長移動距離でした。

まず、洋上からヘリで佐世保へ移送された後に一度官舎へ戻り、再び荷物の整理を行って福岡空港へ向かいました。

福岡空港から羽田空港まで飛行機で移動、そこから上野まで行って新幹線『はやて』に乗り継いで八戸へ移動、八戸から特急に乗り、途中野辺地でむつ線に乗り換えて最終目的地大湊に到着したのは夜の8時でした。

どちらかというと乗り物マニアの私ですがこの旅程はさすがに苦行以外の何物でもありませんでした。

既に気が付いたかもしれませんが、官舎の引っ越し及び自家用車の回航は全て家族任せであります(汗)

 

Sponsored Link

 

期日前に着任

期日前着任

 

本来この佐世保~大湊の移動距離は当日着任の必要はないのですが、ここまで急いだのには理由がありました。

実際に移動したのは発令日の前日だったのですが、この日であれば前任者の引継ぎを受けることができたからです。

一旦当面の宿泊先であるホテルで着替えを済ませ、これから勤務することになる大監防衛部へと向かいました。

夜の9時を回っていたと思いますが、まだ主要メンバー(各室長及び各主任)は残っていましたので、なんとも微妙な挨拶を行う羽目になりました。

発令日前日であるために正規の着任挨拶ができなかったからです。

 

本来の着任挨拶は

「3等海佐 松吉弘文 平成16年8月2日付 大湊地方総監部防衛部防衛部勤務を命ぜられ只今着任いたしました。よろしくお願いいたします」

となるところ、

「3等海佐 松吉弘文 平成16年8月2日付 大湊地方総監部防衛部防衛部勤務に着任予定であるため引継ぎに参りました。明日改めて着任挨拶いたしますのでよろしくお願いいたします」

と挨拶することになりました。

 

そこから前任者による引き継ぎを受けましたが、正直移動による疲労感が大きくて内容はさっぱり頭の中に入りませんでした。

引継ぎ書に書ききれない(書きたくても書けない、文書として残すことが不適切な事項)行間部分の話をいくつか聞いたり、業務主任用のPCに関する取扱い説明を2時間ほど受けて終了となりました。

初めて護衛艦「せんだい」に着任して以来、多くの引継ぎを受けてきましたが今回が最も丁寧なものだったと思います。

ですが、結局のところ業務のやり方には個人の癖が反映されるものなので、後は自分でやってみて徐々に慣れるしかないのです。

私の場合、恵まれていたのは業務主任付の海曹が非常に優秀だったことで、業務の進め方につまづいた時も

「前の業務主任はどうやって処理してた?」

と聞けば大抵の答えが出てくることでした。(ドラえもんの四次元ポケットのようです)

業務主任付に限らず、各主任には一人づつ『主任付』がいるのですが、全員能力が高く大湊地区の隊員の質の高さに驚きました。

 

業務主任の本業

業務主任の本業

 

業務主任の本業は、大湊地方総監部の〇年度業務計画(略して業計)を作成することにあります。

他にも業計事項に関するありとあらゆる付帯業務を担当することになります。

当該年度の業計事項を適時適切に実施し評価判定を加え、来年度の業計を作成していく必要があります。

また、業計は新年度が始まるまでに上位部隊の業計発刊を待って速やかに発刊しなければなりません。

それは大湊地方隊隷下部隊が総監部の業計発刊を待っているからで、早めに案を作成して隷下部隊に配布し意見要望を吸い上げつつ上位部隊からの指示事項を反映して完成に近づけていく必要があります。

上位部隊がガチガチの業計案を作成すると隷下部隊の末端に至るほど身動きが取れなくなるので注意が必要です。

大湊地方総監部として受けるものは受け、お断りするものはお断りしなければならないのですが、これがなかなかに難しいことです。

 

一番困るのが夏場の広報活動で、地方の市町村から護衛艦等の寄港要請が総監に陳情されると追加せざるを得ない場合も生起します。

たいていは地元主催のお祭りイベントの一環として企画が持ち込まれるのですが、同じところばかりに帰港していては不公平感が出てしまうのでバランスをとる必要があるのです。

今まで入港実績のない場所に広報に行かせたいと思っていても、なかなか思惑通りには運ばないのがなんとももどかしいところです。

また、部隊にとっても過度の広報活動は負担になることを十分に考慮しなければなりません。

やはり、しっかりと錬成訓練を行ってもらって、プラスアルファとしての広報活動なのでこの順序を間違えてはならないのです。

いろいろと考慮していても、当該年度業計を執行中には飛び込み広報が入ってしまうこともあり、その都度隷下部隊の隊付に連絡して隊司令にお伺いを立てて頂くことになりました。

私から連絡があると大抵部隊にとっては負担増な事項が多いので、隊付にとって『業務主任』とは招かざる客だったに違いありません(笑)

 

Sponsored Link

 

週に一度は全体会合

プレゼンテーション

 

総監以下、各部長、各級指揮官等の居並ぶオペレーションルームにおいて、今後の予定について業務主任から報告するという定例イベントがありました。

「うわっ、むっちゃ緊張する~」

と思っていましたが、実際やってみるとそうでもない自分がいました。

この配置が好きかと聞かれれば好きではないのですが、意外と自分には合っていたのかもしれません。

大勢の人の前で何かを発表するということに対して、全く違和感がなかったどころか軽い高揚感さえ覚えるようになっていきます。(アブナイ人)

海幕の補任課はそこまで把握した上で配置したわけではないと思いますが、本当によく人を見ているな改めて思いました。

同期を見ても適材適所で上手く配置されているケースが多いです。

自分自身の意外な一面(薄々感じてはいたが)を再認識できたことは、その後の人生において非常に有益だったと思います。

 

Sponsored Link