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着任した「さわぎり」砲雷科幹部は充実した陣容でした。

通常DDやDEにおいては、砲雷長の特技(射撃、水雷)と異なる特技を持つ幹部(砲術長もしくは水雷長)が配置されています。

ですが、この「さわぎり」においてはフル定員だったのです。(士クラスもフル定員だった)

これは遠洋航海の随伴艦であることが最大の理由で、実際に遠洋航海終了後は水雷長の転出に対する交代はありませんでした。

『今だけ増量セール』のようなものです。

 

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「さわぎり」砲雷科幹部の陣容は以下の通りで、砲雷長(私)、砲術長、水雷長、武整長、砲術士、水雷士、掌砲術士という総勢7名で構成されていました。

砲術長は東京商船大出身のスマートなナイスガイで、私と同年齢ということもありよく一緒に上陸する仲でした。

所掌業務に関して私が何かを指示する必要性は皆無でしたし、特に射撃術科に関しては完全にお任せモードでした。

 

水雷長は海上自衛隊生徒出身で、前配置は第2護衛隊群の水雷班長兼副官を務めるほどの術科エリートでした。

私の特技は同じ水雷なのですが、完璧な仕事ぶりゆえ何も口出しすることがなくちょっと寂しいくらいでした。

 

武整長(武器整備長)は部内出身者で、砲術長と同じく私と同年齢であり、いつも艦内の(特に砲雷科の)融和団結に配慮を怠らない縁の下の力持ちタイプでした。

私と共に士官室の雰囲気を盛り上げる同志でした。

 

砲術士は砲雷科幹部唯一の防大出身者でした。

初級幹部ということもあり何かと失敗は多かったですが、不思議と憎めない天然キャラで私とは同部屋、甲板士官を兼任していました。

 

水雷士は水雷長と同じく海上自衛隊生徒出身ですが、幹部予定者課程出身であるので生徒としては水雷長よりも先輩、しかし幹部としては後輩ということになります。

しかし、その辺の節度をきちんとわきまえた人格者(生徒出身者には現在の職責や階級よりも生徒の期別が優先するという慣習がある)で極めて優秀かつ真面目なタイプ、分隊士を兼任していました。

 

掌砲術士は叩き上げの射撃管制員で術科の神様です。

術科に関しては鬼のように厳しい反面(見た目もちょっとだけ怖い?)、非常に情の深い人で何かと頼りにすることが多かったです。

 

とまあ、これ以上望めない程の充実した陣容であり、私のようなナンチャッテ砲雷長でもニコニコして座っているだけで全ての業務が滞りなく完遂できるようになっていました。

そこで、改めて私の果たすべき役割とは何であろうかと考えることになったのです。

術科に関しては、砲術長と水雷長に任せておけば間違いないので、分隊長として砲雷科の雰囲気づくりに専念すればいいという結論に落ち着きます。

こうして私の「さわぎり」での主たる任務(立ち位置)は自然と定まりました。

 

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