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ニュージーランドを出港しオーストラリアに向かいます。

ここも分派行動ということで旗艦「かしま」はシドニーに、「さわぎり」はメルボルンに向かうこととなりました。

タスマン海を航行する間は、東オーストラリア海流(日本の黒潮に相当する暖流)の影響で冬でも比較的暖かいのですが、バス海峡に入ると季節は急変します。

緯度はオークランドとさほど違いはないけれど、季節は完全に冬となるのです。

これほどまでに海流の影響は大きいものかと思い知らされたのでした。

 

キャプチャ

 

メルボルンはオーストラリア南東端に位置し、更に南側にはバス海峡を挟んでタスマニア島があります。

オーストラリアと聞くとでっかい塊でイメージしますが、拡大してみると当然入り組んだ地形もあり、中でもメルボルンは実に素晴らしい地形に建てられた都市なのです。

湾口の入口は最峡部2Km程度で、そこを通峡すると広大なポートフィリップ湾が広がり、その最深部にメルボルンが位置しています。

この狭い入口によって外洋の影響は遮断され、湾内は湖のような静謐さを保持することが可能なのです。

実際バス海峡は結構荒れた海でしたが、ポートフィリップ湾に入った瞬間に鏡のような水面状況に変わり感動しました。

私は護衛艦勤務6配置目でありましたが、未だに船酔い体質だったからです(汗)

 

メルボルン

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メルボルンは1908年まではオーストラリアの首都でありました。

そのため近代的な建築物が立ち並ぶシドニーとは異なり、歴史的建造物なども多く落ち着いた街という印象を受けます。

先の寄港地ニュージーランドのオークランドと同じく、ここオーストラリアでも旧都を訪問することになったのです。

念のため申し上げておくと、首都はシドニーではなく内陸部のキャンベラであり、シドニーとメルボルンの首都抗争の妥協案として遷都された歴史を持っています。

メルボルンの人口は400万人程度ですから横浜と同じくらいでしょうか。

 

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市内は路面電車が走っていたり、観光用の馬車なども見られ独特の風情を感じます。

 

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国自体の歴史が浅いオーストラリアですが、メルボルンは最も早い時期から入植が進んだ都市であり建造物にも風格があります。

過去に何度か『世界で最も暮らしやすい街』の第1位を獲得した経歴を持つのも納得ですね。

 

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通り小道には雰囲気のあるカフェが多く、散策をより楽しくさせてくれます。

ただし、この時は冬季でありコーヒーを飲んでいる間に完全に体が冷え切ってしまいました。

白色人種の方々は寒さに強いので平気な顔でしたが・・・

 

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今回の寄港では市内のホテルに外泊してのんびりすることにしました。

宿泊したのは『Quest Gordon Place』というサービスアパートメントホテルです。

メゾネット方式の部屋(34号室)になっており、巨大なリビングルーム中央部にあるらせん階段を登るとベットルームが2つ、バスルームも2つあり砲雷科幹部(砲術長、砲術士、掌砲術士)4名で宿泊しました。

艦内生活が長くなるとどうしても倦怠感が蓄積するので、こうして外泊することはストレス解消になります。

実はこのホテル、以前は牢獄だったというちょっと変わった経歴を持っているのです。

これをいうとオーストラリア人は嫌がりますが、オーストラリア自体がイギリス連邦の流刑地という時代もあり、正に牢獄の中の牢獄『King of prison』と言えるでしょう。

霊感のない私にとっては問題ありませんでしたが、人によっては『見えてはいけないものが見える』こともあるかもしれませんね。

収容された人間の情念が建物に染みついていなければ良いのですが・・・夜寝るのが怖かったです。

フロントでおすすめの観光スポットを聞くと動物園とクイーン・ビクトリア・マーケットとの回答を得ましたので、まずは近場の市内観光へ向かいます。

 

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市内を流れるヤラ・リバーの向こうに見えている黄色い建物がフリンダース・ストリート駅で、1854年に造られたオーストラリアで最も古い駅です。

東京駅の開業が1914年ですから、その歴史の古さには驚きを隠せません。

 

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もちろん中は近代化されており、自動改札となっています。

ここから列車に乗って旅行に行きたいところですが、それはさすがに不可能なのでまたの機会にお預けということで。(未だに再訪していないが)

 

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外国に行くと自分たちの街に動物園があることに異常にプライドを持っている人が多く、おすすめの場所を聞くと必ず動物園をプッシュしてきます。

この感覚は私には良く分からなかったのですが、日本と違って外国の動物園は子供に媚びていないからかもしれません。

完全に大人が楽しめる動物園となっています。

オーストラリアと言えばコアラですが、訪問したのは冬季ということもあり、約20分間凝視していましたが微動だにせず・・・

しかし、一日に20時間間の睡眠時間を取るといわれるコアラの生態としてはごく普通の状態だったのかもしれません。

 

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ワラビーたちは特別な存在ではないため、園内の至る所に野放しになっていました。

手を繋いでそのまま艦に帰れてしまいそうです。

郊外には野良ワラビーとかたくさんいそうですね。

 

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クイーン・ビクトリア・マーケットは日常の食料品からお土産まで幅広い品揃えを誇ります。

食料品はかなり安い印象を受けました。

これからの世界情勢は食糧自給率の高さによって左右されることを思うと潜在的な国力の高さを感じます。

 

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尺八のような音色をだす先住民族の楽器だそうです。

一時は本気で購入を検討しましたが、これを官舎に持って帰り、更に今後の引っ越しで持ち歩くことを冷静に判断して思い止まりました。

 

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クイーン・ビクトリア・マーケットはアーケード方式になっており、とにかくやたらと広いので疲れます。

『ショッピング~カフェで休憩』の工程をひたすら繰り返して観光終了となりました。

 

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本物のワラビーを連れて帰るのは断念したため、マーケットで購入したワラビーの敷物(合法)です。

スベスベしていてなかなかの肌触り。

 

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こちらは羊の敷物です。

ニュージーランドでもたくさん売っていましたが、クイーン・ビクトリア・マーケットのものが品質、値段ともに優れていたため購入しました。

以後は日本に帰国するまで、この羊の敷物を士官私室の椅子に敷いていたため、部屋自体の雰囲気がものすごくゴージャスな印象になりました。

こんな感じで士官私室でコスプレ撮影会をやっていると、実習幹部が出港時の砲雷長配置に関する質問のため突然来訪しましたが、

「・・・失礼しました。また後で伺います」

といって帰っていきました。

別に気を遣わなくても良かったのに・・・微妙な雰囲気になったので撮影会は撤収しました。

メルボルンは散策が楽しい街なので、やはり訪れるのに最適な季節は暖かい時期の方が良さそうです。

『将来再訪したい街リスト』にしっかりと明記された素晴らしい街でした。

 

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