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護衛艦を動かすためには、動力によってスクリューを回転させ推進力を得る必要があります。

この動力得るための機関(エンジン)とそれに付随する補機等(発電機など)を維持することが機関科の所掌であり、これを指揮監督するのが機関長です。

 

機関士は機関長の所掌業務を補佐することが主な職務であります。

停泊中の護衛艦はメインエンジンを停止していますから、出港する時にはこれを起動する必要があります。

 

車やバイクと違ってキーを回してすぐに「ブルルーン」とはならないので、それなりの手順が必要となります。

このため出港時の朝は、機関科は他科に先駆けて出勤し起動準備を取り掛かるのです。

 

『しまかぜ』はガスタービンエンジンですので、従来の蒸気タービン艦に比べ起動準備に要する時間も少なくなっており、その点は非常に助かりました。

蒸気タービン艦乗り組みの同期など出港当日の朝は3時に起床して、作業に取り掛かるといっていましたから、つくづくガスタービン艦で良かったと思いました。

 

このエンジン起動のプロセスは、隣にいる機関長の指揮監督のもと機関士が行います。

多分これが機関士として一番それらしい仕事だったと思います。

一度起動して出港してしまえば、あとは機器の正常性を維持していくのが任務ですから、状態監視がメインになってくるのです。

 

ただし機関科は全ての機器を正常に稼働させることが当たり前という思想に直結しており、このことが絶えずプレッシャーとしてのしかかってくるのです。

つまり、機器の故障などで怒られることはあっても、褒められることはないということです。

俗に機関科は『縁の下の力持ち』と言われますが、分かっていても切ないものです。

 

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航海中

通信士が航海中に勤務するのは主として艦橋です。

これに対して機関士は操縦室での勤務になります。

昼夜を問わず証明がついた操縦室の真ん中で椅子に座って立直することは、艦橋勤務とは比べ物にならないくらい快適です。

 

機器に何か不具合が生じれば、各乗員から報告が上がってきますので、それを取りまとめて直属の上司である機関長に報告したり、艦橋(艦長)に状況報告すれば良いのです。

つまり、不具合がない限りは立直中にデスクワークが可能なのです。(人事業務を除いて)

 

これは、艦橋立直者に対してものすごいアドバンテージで、立直中にルーティンワークを片付ければ、交代後の自由時間が増やすことができるいうことです。

結果、通信士時代に比べ、航海中であっても食事や入浴(洗濯)など余裕を持ってできるようになりました。

 

分隊士業務

この機関科という特性なのか、それとも舞鶴という地域性なのかはっきりしませんが、『しまかぜ』機関科員は非常に優秀な隊員が多く勤務していました。

この当時『しまかぜ』は、まだこの舞鶴地区最新鋭艦であり、選び抜かれた乗員で構成されていたことも関係していると思います。(各種学校等の成績も1桁台の者が多かった)

 

このため、分隊士としての業務も大変楽でした。

海士でもちゃんと貯金をしているなど、生活面での指導も特に必要ありませんでした。

海曹士は基本的に総監部地区内の人事ですから、地域によって個性が異なるということが段々分かってきます。

 

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