引用元:admkino.com

 

わずか数日の護衛艦着任儀式を終えて、懐かしの江田島に戻ってきました。

練習航海実習を終えたとはいえ、これから勤務する通信士という職務の内容についてはほとんど無知な状態です。

 

そこで、海上自衛隊では士(さむらい)教育のため、任務課程を設けています。(教育期間は概ね2か月)

私の入校した第一術科学校任務船務課程は、通信士と船務士に配置予定の初級幹部に対し基礎的な教育を実施するものであります。

 

幹部候補生学校での教務に比べると、より専門的な内容になっていますが、後から振り返ってみれば本当に基礎的な内容となっています。

それにしても、海上自衛隊は教育にとても力を入れている組織だと痛感します。

この約2か月の任務船務課程を修了するともう3月・・・つまり、1992年4月に幹部候補生学校に入校して1994年3月まで約2年間は全て教育機関ということになります。

新入社員教育が2年間だなんて、民間企業では考えられないことです。

 

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卒業式の後、練習艦隊に詰め込まれ出港して以来約1年ぶりの江田島は何も変わっておらず、しかしそれがとても心地よく感じました。

しかも、候補生時代とは違い教官の目を気にすることなく伸び伸びと過ごすことができるのです。

校内で候補生とすれ違う時に敬礼を受け、それに対して答礼を返す時

「ああ俺は3等海尉になったんだなあ」

と実感が湧いてきました。

 

この後も、教育課程入校や部隊行動の一環として度々江田島を訪れることになりますが、いつでも故郷に帰ってきたような安心感と心地よさを与えてくれる場所なのです。

江田島こそ艦艇幹部の心の故郷といえるでしょう。

 

もちろんそれは校内のみにとどまらず校外の行きつけの飲食店についても同様で、しかも候補生とは違い毎日上陸(外出)できるわけです。

そのため、夕方に教務が終了するとせっせと行きつけの店に挨拶回りをすることができます。

基本島内の飲食店は激安ですから、毎日通ってもたいした出費ではありません。(衣食住が全て無料で他にお金の使い道がないということもありますが)

しかし、こんな平穏な学生生活の終わりに事件が起きます。

母の他界です。

 

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