同期、嫉妬

 

男の嫉妬ほどみっともないことはありませんが、一時期こういう負の感情を持ってしまったことがあります。

嫉妬の相手は同じ護衛艦で勤務する同期の応急長でした。

なぜ嫉妬したかというと、ある人物をめぐる『三角関係のもつれ』が原因なのです。

そのある人物は誰なのか?

どれほど絶世の美女なのか?

気になる答えはこの記事の中にあります。

 

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同期の応急長H君

「てしお」水雷長の頃、同じ艦に同期の応急長が勤務していました。

彼は防大出身(一課程)で幹部候補生学校時代は別の分隊に所属していたということもありそれほど面識はありませんでした。

(私は奇数分隊で彼は偶数分隊なので、休憩室が別々であることが最大の理由)

遠洋航海中はカット(散髪)技術の高さで有名だったため時々カットしてもらうこともありました。

このカットの報酬は主に『缶ビール』で支払っていたと記憶しています(笑)

 

このエピソードが示すように彼は無類の『酒好き』として知られており、しかも飲むと少々『やっかい』な存在でした。

他所の港で上陸して、皆で美味しくお酒を飲んで

「さあ艦に戻ろうか」

と思ってふと隣を見ると大抵トリップ完了状態(目が座っている)なのです。

 

ほぼ毎回のことなので改めて彼の様子を注意深く観察してみると、飲んでいるうちにどんどん気持ちよくなってきて、一定のラインを越えるとほぼ無意識に自分で手酌しては一気に煽るという習性があることを発見しました。

酒量の限界点は高い方だと思いますが、そんな飲み方をすればやはり結果は見えています。

一緒に勤務するようになって数か月後にはそんな彼の特性を掴んだので、宴席の途中に氷や水でさりげなく薄めたり、ただの水と入れ替えたりしながらタイトコントロールしていました(笑)

なぜなら、私には彼を艦に無事連れ帰るという崇高な任務が義務付けられていたからです。

 

それは私が最初の乾杯以降、ほとんど酒を飲まなくても酒席に対応できるという特殊能力が備わっていることを買われていたという理由に基づくものです。

ついでにいうと「てしお」航海長は1期上の先輩だったのですが、この人も応急長と同種同類だったので私は常に一人で二人を連れて帰ることが日常でした。

その様子は『連れ去られた宇宙人』の逆バージョンで、両側の人が真ん中の宇宙人を抱えるのではなく、真ん中にいる私が両側にグッタリとした宇宙人(泥酔した航海長と応急長)を抱えるというなかなかシュールなものでした。

 

20060614_177536

参照元:http://oriworld.jugem.jp/?eid=225

(これならとても楽そうなのですが・・・)

 

しかし、そういう裏表のない(ツッコミどころのある)明るい性質が乗員にも愛され

「トラぞう」

(大酒飲み=大トラに由来)

と呼ばれて親しまれていました。

もちろん、素面の時はとことん真面目で思いやりのある性格なので、そのギャップに乗員は萌えるわけです。

そうすると、こっち(私)は何だかお固くて取っ付き悪い奴のように見えるので、そんな捨て身キャラを確立している応急長のことがちょっと羨ましいと思っていました。

 

三角関係の真相とは

冒頭でお話しした三角関係はこういう背景があって発生します。

その絶世の美女とは・・・

掌帆長(♂)です(笑)

(この頃の護衛艦には一部の試験艦などを除いて、まだ女性の乗艦は一般的ではありませんでした)

 

掌帆長とはすなわち運用員長のことですから、私が分隊長をつとめる第1分隊員であります。

また、各種甲板作業では現場作業指揮官(水雷長)と指揮官補佐(掌帆長)という親密な関係にあります。

 

その一方で掌帆長は戦闘配置においては艦内のダメージコントロールを担当する『応急班』に属することになり、その長は応急長ということになります。

このため、戦闘訓練や艦内防御(防火防水訓練)などでは長い時間を一緒に過ごすことになり、これまた親密度が高くなるのです。

 

私は掌帆長にとって分隊長(直属の上司)でもあるし、私自身の性格上応急長ほど自我を開放できない(羽目を外せない)こともあり、何となく遠慮があるというか見えない一線を感じていました。

片や応急長と掌帆長のやり取りを見ているともっと気軽な感じで軽口をたたき合っているので、それがなんだか羨ましかったわけです。

まあ、二人とも『酒好き』という共通点が大きかったのだろうと思いますが。

 

 

記事のまとめ

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この話のオチはどこにあるのかというと

『人は隙を見せない人には決して近づいてこない』

という教訓を得たことにあります。

 

私は元々『自分の殻を作る』タイプの人間でした。

この言葉は小学5年生の家庭訪問で担任の先生から言われた言葉で、自分としては納得いかなかったのですが両親は激しく同意していました(笑)

この客観的な事実を人生の早い時期に自覚できた意義は大きかったと感じています。

 

普段はそれほどでもないのですが時として『クソ真面目』な面が出てくることがあり、そういう時には他人(特に部下)から見てちょっと近づき難いオーラを醸し出してしまう癖があるのです。

それは相手に必要以上に緊張を与えてしまうし、心を開いて本音を語ってくれる可能性は低くなってしまいます。

『ちょっとした茶目っ気』や『許容できる範囲のルーズ感』を出すことは意外に大事なことなのです。

(たとえそれが多少の演出であっても)

このあたりの教訓が二度目の分隊長を経験する時に大いに役に立ったと思うので、今回記事として取り上げてみました。

 

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